人形供養は「人形に魂が宿る」との考えが根底にあります。そこで故人が大切にしていた人形を捨てるのは忍びないとの声から、人形供養が生まれました。供養すれば心の負担も軽くなりますので、故人を見守ってくれた感謝の気持ちも込めてしっかりと供養してあげてください。
人形供養が必要なのは理由がある?
故人が大切にしていた遺品を片付けるとき、処分に困ってしまうのが人形です。しかし、思い出が詰まった人形を捨てることに抵抗感がある方も多くいらっしゃいます。
日本では昔から「もの(人形)にも魂が宿る」と信じられてきました。そのため、人形も単に処分するのではなく、供養する形で手放すとよいといわれています。
また、故人の遺品を整理するときは、気持ちの整理も同時に行います。故人の想いが詰まった人形を供養するときは、感謝の気持ちを込めながら行うようにしましょう。
人形供養の歴史は意外と浅い?
人形供養が始まったのは戦後だといわれています。持ち物を大切にするとの考えから生まれた人形供養は、現在では主に遺品整理のときに行われています。なお、人形供養は人形感謝祭などと呼ばれることもあり、神社やお寺など行うことがほとんどです。
人形供養で得られる効果とは
人形供養をすることで、精神的な負担が軽くなります。また、感謝の気持ちを込めることで、同時に故人へも感謝の気持ちが湧くようになります。
実際に、「胸のつかえが取れた」「自分で捨てずに済んだ」など、気持ち的に穏やかになれたという声も少なくありません。中には「収納スペースが広がってよかった」などの声もあり、ライフスタイルや心境によっても感じ方は違ってくるようです。なお、人形供養は一般的にお焚き上げという方法で行われています。
人形供養をしてくれる場所のおすすめは?
人形供養は自宅でもできますが、神社やお寺に持っていく方がほとんどです。供養できる場所はさまざまですが、現代のライフスタイルに合わせたものもあります。
神社やお寺で行う場合
神社やお寺では、持ち込みもしくは郵送でお焚き上げを受け付けています。人形を郵送する場合は人形を白い紙、あるいは布で包むようにしましょう。人形にも魂が宿るとの考えから、梱包も丁寧にするのがポイントです。
自宅で供養するときの注意点
人形供養を自宅で行う場合、まずお風呂に入って自分の身を清めてから、丁寧に人形の汚れを拭き取ります。その後塩で清め、白い紙に包みましょう。
そして弔いの言葉を人形にかけたら袋に入れて封をすれば完了です。人形は可燃ごみの一種ですが、自治体によっては捨てられない地域もあるので注意しましょう。
専門業者にお願い
近くにお焚き上げができる場所がない場合は専門の業者に依頼しましょう。人形用の箱を郵送している業者が多く、中に人形を入れて送り返すだけで供養をしてくれます。さまざまな業者があるので、困ったときは専門業者にお願いするようにしましょう。
無料で買い取ってくれる業者も
遺品整理業者の中には、人形などを無料で買い取ってくれる場合もあります。また、人形のほかにも大事な遺品がある場合、同時に買い取ってもらえるので便利です。
人形の種類とそれぞれに込められた意味
日本人形やひな人形など、さまざまな種類があります。女性ならひな人形やぬいぐるみが多いようですが、男性なら五月人形などが遺品として残ります。ここからは、それぞれの供養の理由について見ていきましょう。
ひな人形
ひな人形は、女の子の成長祈願として飾られます。女の子の厄払いとしても使われる人形なので、ひな祭りが過ぎたらすぐにしまうとの習慣もあります。ひな人形は女の子が大人になると役納めとなるので、人形供養をして処分する方も少なくありません。
五月人形
五月人形は、男の子の立身出世や健康などの願いを込めて飾られます。男の子が大人になると役目を終えるので、ひな人形と同様に今まで見守ってくれた感謝の気持ちを込めてしっかりと供養しましょう。
ぬいぐるみ
ぬいぐるみは、家族同然に扱われる大切なものです。「自分が死んだ後はぬいぐるみを棺に入れてほしい」という人もいるほど、大切にされているものになります。しかし、大きさや種類によっては棺に入れることができないので、きちんと人形供養を行い、故人と一緒に送り出してあげましょう。
供養できないものもある?
人形供養をお願いするときにはいくつか注意したいポイントがあります。例えば「ケースは供養の対象外になる」「ひな人形の飾りは対象外」「供養のときに立ち合いが不可」などが挙げられます。また、飾りなどが別料金になる場合もあるので、迷ったときは専門家に相談するようにしましょう。
まとめ
人形は故人の想いが込められた大切な思い出の品です。供養するときには、故人を見守ってくれた感謝の気持ちも込めて手放すようにしてください。
供養はお祓いの一種でもあり、大切な遺品整理の方法でもあります。人生相談以外にも人形供養も行っておりますので、ぜひ一度「幸志館よろづ相談」にご相談ください。